IE9ピン留め
海の世界

85



70

誰恋えば かほど染まるや モミジらよ


夕闇を 待てぬと来るや 紅葉月 


言の葉を 持たぬモミジよ その恋は
愛しのひとを 酔わせて散るか


手を握りゃ 嬉し恥ずかし 紅葉月
散るも散らぬも 風に任せて


酒のあり 虫らの歌も 月もあり
風情の野辺に 君も欲しぞや


秋ぞ秋 恋をするのに 良い季節(とき)よ
君のモミジは どなたに散るや


静か夜は 月の明かりに 君恋いて
乱れに散れる 紅葉の哀し


紅葉らよ 風に散るかや 雨にかや
損得勘定 ソロバンに散る


逝く秋に 命哀しと 虫の鳴く


満ちて足る 月に包まれ モミジらの
その旅立ちを しじまに送り


望月や 紅葉旅立つ しじま哉


恋う君を 隠して寂し 霧の夜は


静か夜は 霧に彷徨う 我が想い


この夜は 虫ら寝かせて 霧の野辺


刻々に 心焦がせば 日々(にちにち)に
膨らむ想い 欠けるを知れど


枯れ芒 風情に揺れて 紅葉月


冥土へと 誰を誘う 枯れ芒


儚げに 月と揺れるや 枯れ芒


枯れ尾花 おいでおいでと 誘うけど
美味い酒でも 有ると言うのか


望月や そなたの明かり 嫌うよに
霧に隠れて 二人の夜は





71

移ろいに 心侘しき 夜更け哉


草に寝て 沈みゆく哉 空の青


この想い どこまで沈む 空の青


その底に 何が棲むぞや 空の青


衣食住 足りるを知らば 安まるに
欲が苦を連れ 二人旅かな



君の肌 恋しと眺む 紅葉月


散る毎に 想い冷えゆく 紅葉月


移ろうは しじまに散れる 紅葉かな


紅葉散り 月も欠けゆく 夜の哀れ



抱き寄せば 紅葉の君よ 密と散り


宵闇に 紛れて紅葉 散らさんと
しじまに渡る 風の想いは


千年の しじまに散れる 紅葉かな


散る紅葉 虫を鳴かせて 君泣かし 


散る紅葉 眺めてポロリ 一滴
これぞ昔流 ダイエット術


物言わず 紅葉散らすや 小ぬか雨


宵闇に 虫ら鳴かせて 更ける秋


この夜は 月の出遅し 君よ来い
人目避けての 逢瀬に酔おうぞ


宵闇に はらりと散るは 恋の花
紅葉の褥 尚も染めんと


言の葉を 持たぬ恋ゆえ 夢染めて
密と散らんや 紅葉の中に


逝く秋を 惜しみて送る 紅葉らの
行方何処と 風に訊ねんや
             字余り




72

はらはらと 散れる紅葉の この風情
我が酔うまで 木枯らし吹くな 


飲み干せば 盃奪う 紅葉かな


丼に 紅葉を酌みて 飲み干せば
ほんのり染まる チアノーゼかな


秋や秋 イヴが喜ぶ 紅葉かな


イヴさんや 日本の紅葉 小さいが
それで良ければ 色とりどりぞ


戯れに 詠む歌恥る 狼は
紅葉に負けず 真っ赤に染まり 


カサカサと 風の連れ行く 紅葉かな


柿山を 食い尽くしたか カラスさん
秋は侘しと ヨタヨタ飛ぶや


せちがらい このせ渡りし 竿一つ
突くを違えば 三途の川よ


想うなら 想える闇の 想いたち
想いに迷い 想いに沈み


紅葉とて 紅葉の中の 紅葉故
紅葉に埋もる 紅葉の楓


月昇りゃ 月のお山に 月見草
月に照らされ 月見と咲くや


夢見人 夢の枕に 夢と散る
夢見る恋の 夢物語り


夜顔や 夜咲くゆえに 夜目遠目
夜闇に隠れ 夜花散らさん


静けさや 月の遅くに 待ちきれず
閨に聞くかな 枯葉の踊り


物想ふ 夜のしじまや 更ける秋


秋連れて 想いも連れて 川流れ


水底に 紅葉眠らせ 守り光り


行く秋に 亀はいそいそ 甲羅干し


憎らしや 紅葉騒がす 風の来し


吹くとても 負けるな紅葉 我のあり
一茶さん パクリました。m(_ _)m





73

散る覚悟 そなたの胸に 有ろうとも
我を思わば 待たれよ紅葉


雨よ雨 紅葉散らせる その様は
親の仇と 言わんばかりに



この雨に 幾つの秋が 去り逝くや


雨風に 泣く泣く落ちる 紅葉かな


秋惨や 情け知らずの 雨に更け


魑魅魍魎 穢れ清めや この雷雨


待ち居るも 雨は止まずや 星出ずや
盃伏せて 秋を諦め


この山に ゴリラ居るぞと 鹿たちは
あちらこちらで 知らせの合図

鹿の子よ 逃げろや逃げろ その山に
腹を空かせた ゴリラが通る 


喧騒を 逃れた夜の 幽谷は
想いを奪い 時さえ止めて


漆黒の 闇に訊ねん 人の性
その営みの 功罪如何にと


物思う 季節とあれば 我もまた
森羅万象 その海彷徨い
          字余り


散る紅葉 しじまに眺め 星月夜


静か夜は 心洗いて 星月夜


山上に 賑わい居るは 星月夜


恋う君と 語りたき哉 星月夜


魅せられて 言の葉失くす 星月夜


行く秋を 泣かせて憎や 木枯らしよ


深閑に 思いも冷えて 暮れの秋


恋うひとの 想い出散らす 紅葉かな


秋空や おどけて鳴ける トンビ哉






74

海さえも しじまに眠る 暮れの秋
昨日の怒涛 想いて一人


彼のひとの 移ろい知れる あき風に
言の葉散らば 乱るる心


行く秋や しじまの似合う 星月夜


星の空 紅葉の舟で 漕ぎ行けば
君待つ川で 逢瀬に酔わんや


紅葉舟 揺られて揺れて 君の傍


人知れず 君を訪ねん 紅葉舟
櫓の音にさえ 気を配らんや


一片に 想い散らせて 紅葉かな


倫ならぬ 恋の哀しや 星の下
紅葉の散れる 音さえ恐れ


今宵また 君に通うや 紅葉舟


手を取れば 紅葉の舟の 色染めて
風もざわめく 逢瀬の夜は


近々に 木枯らし騒ぐ 月回り
残る紅葉の 哀れに散るか


めっきりと 虫の音遠き 暮れの秋


虫でさえ 冬の備えに 勤しむも
我は愚かに 戯るばかり


冬来ても 陰陽の隙 掻い潜り
歌を聞かせや 眠れる虫よ


冷え込めば 紅葉愛でるも 能わずと
窓辺に立ちて 盃愛でん


雨よ雨 紅葉を奪い 君奪い
心寒きぞ 我は一人で


欲捨てて 満ちて足りたる 清貧の
安らぎ既に 化石と成りし


清貧や 化石と成りて 埋まる家
掘り起こされよ 赤絨毯剥ぎ



この雨よ 嫌がる秋を 連れ去るか


恋う我の 三日月隠し 紅葉雨






75

鬼の子を 宥めて吹くや そよの風


雨よ雨 梢の寒や 紅葉散り


暇人よ 夕日送りて 月を待ち


想ふなら 夜長嬉しき しじま哉 



幽谷に 鬼の子並び 揺れるゆえ
夜にゃ逢えるか 鬼の親たち


あれこれと 想い巡らせ 夜長かな


獣(しし)脅し 賢い獣にゃ 役立たず
風情喜ぶ 我が為に有り


山あいの しじま破りて 獣脅し


夜も更けりゃ 落書き遊び 筆を置き
近う寄れやと 盃抱く


秋の夜は 紅葉褥に 天の川


静けさや 紅葉連れ逝く 我の恋


星たちも 凍えて居るや 暮れの秋


散る恋や 去り行く紅葉 暮れの秋


更ける夜は 月も無ければ 虫も居ず
我を慰む 盃一つ


夢恋いて 淡き想いの 乙女子が
夜半に浮かべん 葉月の君や


去る恋に 君の零せし その涙
紅葉に染まり 何処に行くや


欠け行くは 君の心よ 居待ち月
やがて消ゆるや 我への想い


足元に 温もり敷くや 散る紅葉
枝は凍えて 眠れもすまい



しんしんと しじまに冷えて 秋の夜


秋来れど 食の細道 歩く身は
鼻を閉ざして 片目を閉じて








戯るも 天下語るにゃ 小さくて
巷語るにゃ 苦労知らずよ


末世かな 中身捨てての 修羅の道
人も物らも 観てくれ磨き

法廷が 賑わい居るも ご時勢か
躾忘れて 責任転嫁

人類よ 進化進化と 追い求め
エゴが笑えば エコが泣くぞや


満月の 明かり届かぬ 料亭に
悪玉集い 腹鼓かな


下々を 知らぬお上の 戯言に
呆れて思う 政権交代


無能とて 何れに取らす この天下
どんぐり並べ 背比べ哉


雲上に 相争わん 政
下界の時化は 知らぬ半兵衛










76

鈴虫や その淋しげは 何事ぞ


せせらぎや 紅染む紅葉 其処かしこ
寡黙に立つも 其処かしこ哉


逢瀬とて 言の葉散らす この夜は
やがての冬に 月も泣くかな


君の声 紅葉と共に 散りて秋


散りて尚 我を温める 紅葉かな


千年を 契らんとても 浮世風
頬染む君を 奪いて吹くや


まま為らぬ 恋路を嘆く 枯れ尾花
月の明かりに よよと泣くかな


千年の 恋ぞと抱く 細き肩
君の涙も 甘く香りて 


紅葉去り 尚も凍えん 一人夜は


千年の 時の流れに 君恋えば
万年青の花も 心乱して


言の葉の 一つ二つと 散り行けば
凍える夢や 暮れの秋かな


戯れに 遊び疲れて 夜は冷えて
我が家に帰りゃ 盃の待つ


これはまた 終いの秋に 温き雨
蛙寝ぼけて 春を歌うや


御業かや 秋も様々 戯れて
葉の無き木立 蛙の歌よ


白無きと 白髪を染めりゃ 白霧が
白きる我を 白けて眺む


黒なるは 黒き眼(まなこ)よ 黒き髪
黒八丈に 黒百合愛でん


今日からは 暦が冬と 言うけれど
子犬の散歩 汗に溺れて


逝く秋は 寡黙の闇に ただ更けて


人故に 万象狂う 末の世や


一雨に 冬の目覚めて 我震え










77

人肌を 恋えば良かろと 小ぬか雨


一雨に 流れて秋の 店じまい


人の世の 侘しさ教え 凍え雨


単には 夢も凍える 雨の秋


一年(ひととせ)が 紅葉と散りて 君の去り


ひと恋いて 一夜契らん 一目ぼれ


人波に 酔いたる我よ げろの川


人伝に 君を案じて 天の川



この雨は 確かな冬を 運び来て


虫たちも 蟄居するかや この寒さ


隙在らば 歌を聞かせや 蟄居虫


蟄虫よ 我の褥は 其に無いか


里山も 櫨(はぜ)が色付く 遠景色


秋雨や 明日は乙女と 逢えるかや


身は凍え 心冷たく 口寒や


不景気や 懐冷えて 夜も冷えて


夜の冷えりゃ 褥の夢が 我を呼ぶ 


恋うひとと 諍いあるや 乙女月
雲間に隠す その泣き顔よ


冷え初めて 乙女の月も 震え待つ


その空は 寒くないかや 乙女月
紅葉褥の 温もりどうだ











78

乙女月 幾らそなたが 美しも
斯程に冷えりゃ 待ても出来ぬぞ 


芒さえ 乙女の月を 恋うように
手を振り呼ぶや 虫無き野辺に


里山の 紅葉眺むや 乙女月


老いぼれが 乙女相手に 戯れりゃ
しとどに凍え すごすご帰る


見上げれば 月の静かに 聡明に
愚かな我を 哀れむように


万物の 王たる人の その驕り
星を壊して 何処へ往かん


現世に 恐ろし魔物 君臨す
名は人間よ 神も逃げたと


君想い 眺めし月や 初恋の
遠き昨日が 盃満たし


初恋を 霧の包みて 老いの夜


初恋や 我老いたれば 彼のひとも
老いて眺むか 過ぎ行く秋を


昔日を 甘く切なく 酌むなれば
盃満たす 縁(えにし)哀しや


其処かしこ 雲ある月の 美しく
自惚れ昇りゃ 鼻持ち成らず


満月や 雲無き空に 自惚れりゃ
そなたの側に 星も寄らぬぞ


自惚れて 輝き増せば 満月よ
星ら離れて そなたを妬む


言の葉を 失くした木々よ 我が心


木枯らしに 言の葉盗られ 一人酒


山道は 秋の名残りに 照る月よ


山歩きゃ 風情楽しむ 月の在り


喧騒を 嫌いて歩く 夜の山
しじまに浸り 寡黙の我は


恋うれども 寡黙に秘める この想い
切なき様を 月に照らされ 









79

名月に 負けて居らぬや 紅葉月


逢瀬夜に 明かり消してと 君の言う
なれど満月 覆いも出来ず


一代目 屋号起こして 名を残し
二代目守り 次が壊すや


逢瀬とて 月に恥らう 紅葉恋


後悔や 悟り知りたる 一里塚


補陀洛や 舟幽霊の 共連れて
いきて帰らじ 数多の僧は


待ち居れば 十六夜連れて 君の来し
甘き逢瀬よ 紅葉の小道


恥じらいに 十六夜月も 頬染めて
言の葉無けり 紅葉の小道


十六夜は 涙に欠ける 片恋の
想いの零れ 痩せ行く月よ


愛憎に 溺れ行くのも 恋ならば
眺めて愛でる 花も恋かな


昨日まで 夜毎に満ちし 喜びも
今は欠け行く 君の哀しや


十六夜を 追えば寝転び 草の上


酌む酒に 浮かべて愛でん 乙夜月


木枯らしに 恋の灯消され ふて寝かな


木枯らしに 尚も燃えるや 不倫恋


戯れば 乙夜の月も 沖天よ
首の疲れに 諦め寝るや


立待ちに 君の姿の 浮かびきて
高鳴る胸に 紅葉も散るや


君待てば 初更の月も 恥ずかしと
薄紅染めて 楚々と昇るや


抱き寄せば 立待ち月も 頬染めて
うろたふ様に 雲を探すや 


抱き寄せば 紅葉散る散る 星も散る
君のお顔は 湯気立つヤカン
 






80

女とは 居待ちに顔を 出す月よ
立ち待ち疲れ 座るに来るや


居待ちとて 君無き里に 誰を待つ


逢うとても 人目忍びて 居待ち月
温もり哀し 欠け行く恋は


時惜しみ 居待ちの闇に 貪るは
明日を知らざる 束の間の恋


木枯らしよ 叶わぬ我の この想い
何処なりとも 連れ去り行けや


来ぬ君よ 寒さ堪えて 居待ち月


居ぬひとを 想い焦がれて 居待ち月


盃に 恋を浮かべて 居待ち月


その膝に 眺めたきかな 臥し待ちの
甘き逢瀬に 顔出す月よ


恋うひとと 眺めて嬉し 寝待月


寝待とて 君を偲べば やるせなく
眠れぬ胸へ 昇る月哉


柵を 捨てて眺むや 臥し待ちの
肌の温もり 妖しき月よ


臥し待ちは 激しき情の 騒ぎ立つ
一夜の夢を 眺むる月や


更ける夜は 臥待月も 夢に欠け


君待てば 枕に昇る 臥し待ちの
想い零るる 夢の逢瀬や


木枯らしや 恋うる想いを 攫い吹き


待つ身には 惨き仕打ちぞ 弦の月
更けて尚来ぬ この淋しさや


願うなら 君への想い 二十三夜


来るまでは 想い泳がす 星の海
四方山重ね 二十三夜月


夢の日々 胸に納めて 二十三夜






81

木枯らしに 言の葉散らす この逢瀬
裸の梢 震えるばかり


言の葉も 既に無きかな この逢瀬 
木枯らし吹かば 尚も寄り添い


木枯らしの 連れ来た冬か この寒さ


待ち月を 待てやせぬぞよ この寒さ


我が想い 泳がせたきや 星の海


貧狼の 指さす方よ 君の家


衣無き 木々の凍えて 星月夜


凍えるも 木枯らし眠る しじまには
君を捜さん この星月夜


木枯らしも 泣き疲れての しじま哉


昨夜とは 打って変わりし 木枯らしや
その騒動に 恋慕も消され


君恋うる 熱き鼓動も 木枯らしに
攫われ行けば 想いの凍え


空蝉の 胸に只ただ 木枯らしは


恋うひとを 奪いて吹ける 木枯らしよ
我に如何なる 恨みの在りや


木枯らしの 吹き荒むかな 闇の胸


我が愚痴を 聞いて居たのか 木枯らしよ
少しゃ遠慮も 出来るじゃないか


逢瀬とて かほどに騒ぎゃ 木枯らしよ
甘き語らい 聞こえやせぬぞ


木枯らしよ 幾ら騒げど 恋に酔う
若い二人にゃ 甘き小夜曲









# by kaimunoheya | 2008-10-13 14:28 | 海狼の世界 85
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